SAMMY(BILLY AND THE SLUTS)の還暦を祝うライブに、同じ90年代のヴィジュアルシーンを駆け抜けた仲間たちが大勢出演!!

 90年代のヴィジュアル系黎明期(正確に伝えると1989年)に、関西シーンへ”POP&PUNKISH”というスタイルを魅力に登場したBILLY AND THE SLUTS。ゴリゴリやダークなバンドが中心だった中、彼らが描きだしたキラキラした輝きを放つポッフで明るくてメロディアスなパンクロックスタイルは嬉しい衝撃だった。初見で触れても直ぐに馴染める、”つかみ”を持った姿も、彼らがシーンの中で瞬く間に頭角を現してきた理由の一つ。COLORと同じ匂いを持つ音楽性という理由もあり、当時からCOLORの弟分的な存在であり、COLORのDYNAMITE-TOMMYの立ち上げたFREE-WILL RECORDSに所属し、CDもリリースし続けた。
バンドは、1996年に一度活動を停止。サウンドメーカーのHIKARI(石谷光)が、作家としてプロレス団体DRAGON GATEで楽曲を手がけていることから、CDのリリースを含めた散発的な復活はあったが、定期的な形でイブ活動を再開したのは、もっとその後になる。今でも、年に行うライブ本数は限られている。それでも、継続的に動いている。だからこそ、こんな嬉しいイベントも行われた。

2月14日は、BILLY AND THE SLUTSの結成日。ヴォーカルのSAMMYの還暦(60歳)を迎える誕生日が近いこともあって、ひと足早くSAMMYの誕生日を祝おうと、結成日に当たる2月14日に吉祥寺Crescendoでイベント「〜HAUNTED HOUSE PRESENTS〜BILLY AND THE SLUTS~SAMMY’s 60th ANNIV.CELEBRATION NIGHT~」を行った。この日は、BILLY AND THE SLUTSを筆頭に、90年代から同じ時代を駆け続けてきたバンド仲間たちも、当時のバンドを復活したり、セッションバンドを組む形で大勢参加した(本文後を参照)。ここからは、BILLY AND THE SLUTSのライブの模様をお伝えしよう。

 スタスタスタスタッとした音を叩くHIROの軽快なドラムのビートに乗せて、『LONDON NIGHT』のインロトが流れだす、その勢いを綺麗に繋ぐように、演奏は『IT’S ALL RIGHT』へ。曲が進むごとに演奏の熱も、フロアに詰めかけた大勢の観客たちの心も火照りだす。ステージの上から「とびきり生かした笑顔の俺に」と呼びかけるSAMMYに向かって『IT’S ALL RIGHT」と叫ぶ、そのやりとりが懐かしい。客席に向かってマイクを真っ直ぐに突き出すSAMMYの姿に触れ、30年以上前に見ていた光景が甦り、懐かしいだけではなく、あの頃の自分の気持ちも甦っていた。いくら年代を経ようと、胸を踊らせた音楽を感じたとたん、身体に染みついた感覚が自然に甦り、気持ちを少年や少女に戻していく。
さらに、BPMを上げた演奏が飛び出した。『JULLIA』だ。モニターに右足を乗せ、マイクを両手でギュッと握りしめて歌うSAMMYの姿は、あの頃のままだ。サビでは、SAMMYの呼びかけに応じて、ファンたちが歌いだす。ずっと一緒に口ずさみたくなる。だから後半では、観客たちが「Oh My JULLIA」とずっと歌っていた。冒頭から、BILLY AND THE SLUTSらしいポップでメロディアスでビートパンクな楽曲を並べてきたのが嬉しい。

MCでは、BILLY AND THE SLUTSが37歳を迎えたこと。SAMMYが、間もなく60歳を迎えることを伝えていた。

 飛び出したのが、1stアルバム『FROM JACK IN THE BOX』の1曲目を飾った『LONG JENNY SILVER』だ。一時期はよくこの曲から始まり、ライブ全体に明るく元気ではっちゃけた空気を作りあげていた。何度も何度もキメを組み入れ、観客たちの騒ぎたい気持ちを蹴り上げれば、サビでは思いきりキャッチーな歌を持ってきて、一緒にシンガロングしていく。身体を大きく揺さぶりながら歌うSAMMYの姿に触れ、一緒に身体を揺らす人たちもあちこちに生まれていた。アルバム『FROM JACK IN THE BOX』の曲順をなぞるように、次にファストチューンの『SKIN HEAD GROUPIE』を持ってくる展開もエモい。 
 勢いを持って駆け続けた演奏からガラッと色を塗り替えるように、続いて演奏をしたのが、バレンタインの時期にピッタリの甘いバラードの『DISTANT VALENTINE』。愛しい人へ向けて思いを告白するように歌うSAMMY。還暦を前にして純愛を歌う男から感じたのは、貫祿よりも、寄り添い歌う優しい男の感謝と愛情に満ちた姿だった。そのうえで、軽快に跳ねた『EASY TRIPS』を歌い奏で、彼らは、観客たちの心をふたたびウキウキと弾ませていった。

 攻撃的なのに胸をくすぐるキャッチーなギターのリフが、騒ぎたい気持ちのスイッチを力強く押す。SAMMYがモニターに足を乗せて『イツモノヨウニ』を歌いだしたとたん、フロア中でも騒ぐ人たちが大勢生まれだす。ギターのHIKARIは現在、アイドルグループのプロデュースも手がけている。彼が完全サウンド・プロデュースを担うグループの一つHOT DOG CATがカバーしていることで、今やアイドルシーンでも、この曲のファンが多いし、『イツモノヨウニ』を通してBILLY AND THE SLUTSのことを知るという逆転現象も起きている。この日も、SAMMYが「いつものように いつものままで いつものように 笑顔のままで」と歌う声に合わせて、笑顔で手遊びをする人たちがあちこちに誕生していた。途中でSAMMYが、客席で騒いでいたLUCY(Red Tail Cat)にマイクを渡して歌わせる場面も登場。名曲は時代を駆け抜けるというが、まさに令和の今でも、この曲は多くの信者を生み出している。
そのあとに「楽しくって」「しょうがない」と『OH YEAH』を持ってくる流れが、めちゃめちゃエモいじゃないか。あの頃のやりとりを思い返すように、SAMMYと観客たちが「OH YEAH」「OH YEAH」と歌や振りをかけあう様が生まれていた。ほんと、BILLY AND THE SLUTSと一緒にいるだけで楽しくってしょうがない!!

ここからは、さまざまなミュージシャンがBILLY AND THE SLUTSのライブに飛び入りで参加。『FEEL SO GOOD LUCK』では、関西FREE-WILL RECORDS FAMILYのLUCY(Red Tail Cat)とSHELLA(Amphibian)がヴォーカルで、MIZUKI(La mise a mourle)がギターで参加。打ち上げの席では見られても、ステージではけっして当時から見ることのなかった景色が目の前に広がっていた。この曲では、LUCYとSHELLAの2人が交互に歌い、SAMMYは煽りに専念。その後、自身も歌に参加するが、基本は、LUCYとSHELLAに歌を任せていた。たとえヴォーカルが変わろうと、一緒にシンガロングしたくなる往年の名曲の魅力や良さは、変わることなく輝いていた。
続く『STAY x 3』では、ベースにDEAN (AION)が参加。気持ちを熱く揺さぶるブラストビートと唸るベースの演奏に乗せ、それまでベースを演奏していたYUTAKA-ABEXも加わり、4人の歌い手が入り交じる形でセッション。勢いあふれる演奏を、気持ちをオラオラとした高ぶらせた4人の歌い手たちが、観客たちを煽るように「STAY STAY~」と歌い叫んでいた。ステージの上もフロアもぐちゃぐちゃになり、声を上げて混じり合うあの頃の景色が、そこには生まれていた。
  最後にSAMMYは、ステージにKEN石川(STEPPEN THE BLUE)、Hiofumi(Eins:Vier)、子レッズ(AURA)を呼び入れた。演奏をしたのが、パンクナンバーの『電撃BOP』(RAMONES)。数多くの歌い手たちが、演奏に乗せて、次々とマイクをリレー。ステージ上から高らかに響く「Hey Ho Let’s Go!!」のかけ声が、とにかく熱い。この手のセッションでは、フロア以上にステージ上がぐちゃぐちゃになるのがお馴染みの光景。この日も、ステージの上がカオスな状態になりながら、BILLY AND THE SLUTSの誕生日と、SAMMYの還暦を、はちゃめちゃな姿になって祝っていた。

[出演] 🔷BILLY AND THE SLUTS
Vo.SAMMY
Gt.HIKARI
Ba.YUTAKA-ABEX
Dr.HIRO

🔷RED TAIL CAT
Vo.LUCY / Gt.HIRO
&
Gt.KENKEN(ex OKISHI-DOLL)
Ba.YAYOI(死異紋危異)
Dr.chun-ji (HAPPY CARRY)

🔷Valley
Vo.SHELLA(ex Amphibian、Harlem Deads)
Gt.MIZUKI(ex La mise a mourle)
Ba.KENKEN(ex OKISHI-DOLL)
Dr.久太郎(DRASTIC BREED)

🔷MAD Respect For “Gilles de Rais”
Vo.Seth (Moi dix Mois)
Ba.綾葉 (DazzlingBAD)
&
[Featuring LEGEND]
Gt.JACK & Dr.SINN(Gilles de Rais)

LIVE PHOTO:中田英之
TEXT:長澤智典

セットリスト

『LONDON NIGHT(intro)~IT’S ALL RIGHT』
『JULLIA』 
                                       
『LONG JENNY SILVER』
『SKIN HEAD GROUPIE』

『DISTANT VALENTINE』
『EASY TRIPS』

『イツモノヨウニ』
『OH YEAH』

『FEEL SO GOOD LUCK』
『STAY x 3』
『電撃BOP』(RAMONES)

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