『夢寐の花』とは「夢の中だけで咲く花」。少女ドロシーが見た13篇のダークファンタジーな物語を綴ったハイダンシークドロシーの新作アルバム『夢寐の花』。 その魅力をメンバーが語り尽くす。
7月、8月と連続で作品を発売すれば、夏にはライブツアーも行なったハイダンシークドロシー。彼らが、3ヶ月連続リリースの第3弾作として9月18日に2ndアルバム『夢寐の花』を発売する。
2ndアルバム『夢寐の花』には、ちょうど1年前に出した1stアルバム『ヒトリランド』以降に形にしてきた配信シングル『エルドラド』『百花千紅』、シングル盤『白黑有無』『飾られた私と棘と事切れの部屋』 へ収録した曲たちもすべて集約。そのうえで、6つの新曲を加えて、全部で13曲という聞き応えのある作品として仕上げている。
1stアルバム『ヒトリランド』は、ドロシーという異世界に住む少女の視点で描いたダークファンタジーな物語を中心に作りあげていた。その後に出した『エルドラド』は、1stアルバムに描いた世界観を踏襲しながらも、作詞を担うヴォーカル谷琢磨の描きたい想いを少女ドロシーに重ねあわせ描いた楽曲になっていた。
次に出した『白黑有無』では、「明るいファンタジー」をテーマに楽曲を制作。「ハイダンシークドロシーの分岐点にもなった曲」と言われるように、彼らの音楽性や描く世界観の枠を大きく広げた作品になれば、胸つかむキャッチーな楽曲を通し、新たなファン層の拡充にも繋がった。
7月と8月に連続リリースした『百花千紅』と『飾られた私と棘と事切れの部屋』 は、ライブで活きる楽曲を意識して作られた曲たち。アグレッシブな音楽性を示し、ライブを通して触れた人たちの心を惹きつける曲たちとして評価を得てきた。
根底には「少女ドロシーの描く心の物語」という軸を据えながらも、そこへ多種多様な心模様(歌詞)や音楽性(曲調)を1曲ごとに塗り重ねてきたことで、何時の間にかハイダンシークドロシーの音楽性は「大人のヴィジュアル系」と呼ばれる、ときに切なく、ときに優しく、触れた人たちの心の琴線を揺さぶる良質な歌を届ける音楽性へと進化していった。その進化の歩みを集約し、集大成したのが、2ndアルバムの『夢寐の花』になる。
ハイダンシークドロシーがどんな想いを胸にアルバムを作りあげたのか、その物語を、彼らの言葉を借りてお伝えしたい。
――1stアルバム『ヒトリランド』を出して間もなく発売したのが、としまえんにあったメリーゴーランド「カルーセルエルドラド」との想い出も重ね合わせて作った『エルドラド』でした。その頃から谷さん自身の想いも歌詞へ深く描き出せば、楽曲も多様性を増したように、少女ドロシーという視点にとらわれることなく表現を始めたなという印象を受けました。
谷琢磨 『エルドラド』に関しては、としまえんにあったメリーゴーランド「カルーセルエルドラド」の想い出を形にしたいと思っていたように、その構想は1stアルバム『ヒトリランド』を制作していた頃からありました。それを具現化したのが、みずから作曲もした『エルドラド』になります。
先にアルバム全体の話をすると、2ndアルバムのタイトルへ記した『夢寐の花』とは「夢の中だけで咲く花」のこと。アルバムに収録した一つ一つの楽曲が、ドロシーが夢の中で見た物語という世界観を軸にしているように、そこへ統一性も出しながら作りあげています。
情次2号 一見、多様な視点を持って描いた曲たちに見えて、1枚にまとめあげると根底に統一した世界観を覚えるのは、谷くんの頭の中に、2ndアルバム『夢寐の花』へ向けての構想がしっかり見えていたからなんだろうね。
靖乃 1stアルバム『ヒトリランド』を作り、同時にハイダンシークドロシーは初ライブをワンマン公演という形で行なったんですけど。そのライブをやったときに感じていたのが、「アルバム『ヒトリランド』へ収録した曲たちに、ライブ用に欠けていた幾つかのピース(楽曲)を加えると、より濃いワンマンライブになるな」ということ。そこから次々と生まれてきたのが、1stアルバム『ヒトリランド』以降の作品たちであり、2021年の夏秋に向けたライブ展開へ向け必要なピースを埋めるように作り上げた2ndアルバムの『夢寐の花』なんです。
――『エルドラド』のときは、まだ1stアルバム『ヒトリランド』の世界観を踏襲していましたけど。その印象をがらっ変えたのが、シングルの『白黑有無』でした。
情次2号 『白黑有無』も、今年3月に行なったワンマン公演へ向け、そこで表現するのに必要なピースとして作った曲なんですけど。当時、谷くんに「明るいファンタジーをやりたい」と言われ、それで作ったんだよね。C/Wに収録したアコースティックなスタイルの「心温」も、そのときにアコースティックライブも予定していたから、そこに合わせて作った楽曲でした。
谷琢磨 以前から楽曲を表現していくうえでの多様性は求めていたんですけど。『エルドラド』の時点では、まだ手探りな部分はありました。でも、『白黑有無』で「明るいファンタジー」へ挑戦したことで、その扉が開き、一気に多様性を求めやすくなったなとは感じています。
靖乃 ハイダンシークドロシーを始めた当初は、谷くん自身がこれまでに表現してきた音楽性も含め、どこまで表現の幅を広げて良いのか迷いがあったと思うんですよ。でも、1stライブをやったときに、演奏する側も、観てくれる側も、思った以上に笑顔で楽しんでいた。その笑顔が、「もっと幅を広げていいんだ」という谷くんの表現したい欲求の背中を押してくれたんじゃないかなと、俺なんかは見てるんだけど。
谷琢磨 それは、確かにありました。『ヒナギク』という温かいく優しい楽曲があるんですけど。それを歌っているとき、自然に笑顔になっていたんですね。その表情を見た人たちから「笑顔が素敵でした」という声が思った以上に返ってきていました。それまでずーっと暗ーい感じの楽曲を歌い続けてきたのもあって、ライブで笑うことがなかったんですね。でも、ふいに出た笑顔とはいえ、それを受け入れてもらえたことが、「明るい表情を披露したい」という一つの決め手になったのは確かです。
情次2号 『白黑有無』を作ったことが、ハイダンシークドロシーにとっても世界観を広げてゆく大きな分岐点となったからね。
ジン それまでもけっして制約を作っていたわけではないけど、『エルドラド』の頃までは、『ヒトリランド』で作り上げた世界観からあまり逸脱しすぎないようにという気持ちが無意識の中にあったんですけど。その枠を『白黑有無』を通してはみ出せたことで、そこからどんどん制約が取れていった感じはありましたね。
――7月に配信リリースした『百花千紅』、8月に会場限定シングル盤として発売した『飾られた私と棘と事切れの部屋』 に収録した曲たちは、まさにライブで生きる内容ばかりでしたよね。
情次2号 それらの曲たちも、9月18日に出す2ndアルバム「泡沫なる夢幻」へ向けて作っていた曲たちのピースでしたけど。ちょうど夏からライブツアーも控えていたことから、ライブで生きる曲たちをと先に書け上げれば、その展開へ合わせるように、2ヶ月連続でリリースした経緯もありました。『百花千紅』など、ライブで演奏したときに、聴いてる人たちの気持ちを頭からガッとつかんでいくためのような楽曲ですからね。
靖乃 対バンライブを通しての演奏だったように、限られた時間の中でしたけど。でも、夏のライブ中にやってて感じたのが、1曲目を演奏した時点では、そんなに目を合わせてくれる人たちがいなかったのに、最後の曲の頃にはみんなが僕らへ熱い視線を向けてくれていたこと。それだけ、今のハイダンシークドロシーの曲たちを評価してもらえたんだなと思ったし、そういう曲たちをしっかり作りあげられたなという手応えも覚えていましたからね。
情次2号 ハイダンシークドロシーはコロナ禍真っ只中で始まったバンド。1stアルバム『ヒトリランド』は、メンバーどうしでもなかなかコミュケーションを取るのが難しい環境だったように、みんなのことを理解しようとしながら作った作品でした。そこからは、ライブも含め、コミュニケーションを取れる時間も機会も増えたことから、お互いのことも深くわかりあえるようになってきた。そうやって関係性を深めていく中で生まれた曲たちをまとめあげたのが2ndアルバム『夢寐の花』のように、楽曲の持つ深みも振り幅も広がっていくのは当然だし、そこが1枚目と2枚目のアルバムとでは大きな違いになっているなとも感じています。
――谷さんは、アルバム用に『眠り薬のうた』『サンザシ』と新曲を持ってきました。2曲とも、谷琢磨として描いている世界観に近い匂いを覚えました。
谷琢磨 アルバム用の楽曲を作るうえで意識していたのが、「自分の気持ちや主張を、もうちょっと強めに入れてもいいかな」ということでした。結果、『眠り薬のうた』も『サンザシ』も「これをヴィジュアル系と言って良いのかな?」という枠組みを逸脱した曲にはなったんですけど。別の見方をするなら、谷琢磨としての芯をとても強く押し出した曲たちをハイダンシークドロシーの楽曲として作れたなとも思っています。
靖乃 2曲とも、十分ヴィジュアル系の楽曲として成り立ってると思う。しっかり、同じ国の中にいますからね。
谷琢磨 「自分が持っている味をヴィジュアル系の中に出そう」という部分と「自分が歩んできた歌に対する道」、その二つを融合しながら、それぞれの楽曲の中へ取り込めたんじゃないかとは、自分でも思えました。
――『眠り薬のうた』は、谷さんの弾き語り演奏で構成されていますよね。
谷琢磨 コンサーティーナ(蛇腹楽器)の弾き語りで歌ったんですけど。主人公のドロシーの不器用な世界観を出すために、下手な演奏も含め、あえて一発録りをしています。
情次2号 谷くんが「下手だ」といった演奏を、ミックスのときにさらに揺らして不器用さを増してみました(笑)。
靖乃 谷くんは「下手な演奏」と言ってたけど。谷くんの息づかいと重なるように演奏も聞こえてくるから、むしろ、”らしさ”が見えていいよね。
情次2号 今回、DELUXE EDITION盤には、オフヴォーカル盤も入ってるんですけど。それでこの曲を聴くと、コンサーティーナのパフッパフッという息継ぎをしている様がリアルに見えてくるように、ぜひ、そちらも聴いてほしいですね。
――アルバムは『眠り薬のうた』で幕を開け、次に『エルドラド』へと流れるように、夢の世界の扉を開けたら、そこから次々といろんな風景や想いを持った物語が広がりだします。その流れが素敵だなぁと、聞きながら感じていました。
谷琢磨 アルバム『夢寐の花』へ”夢の中”を描くということが、多少の強引な流れも辻褄を合わせていける理由にはなったんですけど(笑)。この作品を聴くうえで、ぜひブックレットを読み進めるように聴いていただきたいんです。というのも、ドロシーが絵本を読んでいるジャケットに描いた姿を含め、ブックレット自体が絵本のような装丁になっていれば、収録した一つ一つの楽曲が、絵本の中に描かれたいろんな物語を読み進めてゆくようにも流れていきます。だからこそ、視覚と聴覚と感覚を用いながら楽しんでいただけたらなと思います。
――谷さんの書いた物語は、あまりハッピーエンドではない内容も多くないですか?
谷琢磨 はい(笑)。ただし、今回収録した曲たちはそこを強調するのではなく、「もしかしたら、こういう意味??」と想像や解釈を巡らせる余白を多くしているように、聴いた方それぞれに物語を委ねられるような言葉使いや言葉遊びを用いてどれも書いています。ただ、ポジティブではない物語を予想させてしまうのは、自分の性格が出ちゃっているからなんでしょうね(笑)。それでも、どの角度から捉えても、「これは不幸な歌だ」とはならないようにどの歌詞も書いています。むしろ、聴いた方の、そのときどきの心模様によって聞こえ方や解釈が変わってゆく曲たちばかりだと思います。
――「にゃあ ミルク色の」と歌いだす『猫と魔法のドルチェ』は、まさに谷さんらしさが全開に出ている楽曲という印象でした。
情次2号 あの始まりは、曲を作った自分でも驚きでしたよ。仮に僕がこの曲の歌詞を載せるとしたら、バーを舞台にブランデーを傾けるなど、大人の世界を書くと思うんですけど。いきなり猫の肉球を差し出されたときには「キャーッ!!」となりましたからね。
谷琢磨 とてもウェットな大人の雰囲気を持った楽曲だったからこそ、あえてそこを外したかったんですよね。それにハイダンシークドロシーは、ドロシーという少女の視点というのも大切にしている要素だからこそ、そこを活かすように書いた面はありました。それに、猫はハイダンシークドロシーのメンバーの姿でもありますからね。
ジン 僕が頭にかぶってる猫のことです。僕自身ではなく、僕の一部でもあるネコにスポットを当てた楽曲が生まれたように、もう一生こいつ(猫の頭)とは添い遂げなきゃいけないですよね(笑)。
今回も、僕がアルバムのブックレットなどのデザインを担当したんですけど。『百花千紅』や『飾られた私と棘と事切れの部屋』 のときは、楽曲の雰囲気も相まって割と固めの書体を使ってたんです。それと同じ書体で『猫と魔法のドルチェ』の始まりの歌詞になる「にゃあ」を書いたら、なんか違和感を覚えたんですよね。
情次2号 書体がおじさんの「にゃあ」になっちゃうという(笑)。
ジン そこから「にゃあ」に似合う書体へ変えたところ、その書体がアルバムタイトルの『夢寐の花』にもピッタリはまったことから、結果、ブックレットの書体もすべて「にゃあ」に合わせた書体にしていきました。
靖乃 『猫と魔法のドルチェ』は、心地好いリズムの流れを切らないようにと、心地好く泳げる演奏を心がけた楽曲でした。続く新曲の『アコーディオン弾きの男』は、勝手知ったるというか、1stアルバム『ヒトリランド』の頃に培ったスタイルを上手く活かした楽曲になりました。
ジン 『アコーディオン弾きの男』は、アルバムの中、一番『ヒトリランド』の流れに近い曲。おかげで演奏も変に身構えることなく心地好く演奏できましたからね。
情次2号 『アコーディオン弾きの男』は、コード進行も含め、最近の洋楽っぽい感覚で作った曲。じつは仮タイトルも「洋楽」でしたからね(笑)。
谷琢磨 『アコーディオン弾きの男』は、当初シングルにしようかという話も出ていた曲なんです。この曲は耳心地好さよりも世界観を全面に押し出す楽曲にしたかったことから、歌詞も、物語性を強く押し出して書いています。この曲、谷が帽子を目深にかぶった格好で、コンサーティーナを弾きながらライブで歌うのも面白いのかなとも想像しています。
靖乃 続いて流れる、谷くんが作った『サンザシ』がまた演奏していて気持ちいいんですよ。あの曲は、とても壮大な景色が見えるように、フルオーケストラを背に演奏している気分のまま、レイドバックした叩き方を心がけながら録った楽曲でしたからね。
情次2号 『サンザシ』って豪華さをイメージさせる曲なんだよね。実際にはシンプルな演奏にしているんだけど、背景からフルオーケストラの演奏が聞こえてきそうな壮大な感じはしっかり出せたなと思います。
谷琢磨 『サンザシ』は、情次2号さんがどんな風にこの曲を料理してくれるんだろうという楽しみも含め、投げた歌なんです。細かく説明をすれば求めた仕上がりにはなるんでしょうけど、それでは想定内で落ち着いてしまうことから面白くないなと思ってすべて委ねたところ、とても素晴らしい楽曲として返してくださったように、委ねて正解でしたね。『サンザシ』は、曲調も含め、聴いた方それぞれに世界観を巡らせていける楽曲だと思います。
――ここまで新曲について語っていただきましたけど。後半にも二つの新曲が顔を並べています。
谷琢磨 『誕生花』は、作曲を靖乃くんがしているように、歌詞も靖乃くんを想像して書いています。
情次2号 「打ち鳴らせ 力強いリズム」の歌詞など、「まさに!」という感じだからね。
谷琢磨 『誕生花』には、靖乃くんが生き生きしてドラムを叩いている姿をイメージして書いたように、ライブでもそこへスポットを当てた演出をしたいなと思っているし、聴いてくださる人たちにも、靖乃くんの姿を思い浮かべながら歌詞に想いを巡らせてほしいですね。
靖乃 以前に曲を作ったときにも、そこへ靖乃節が出てきたように、俺は、こういう曲調しか作れないんですよね。アレンジに関しても、情次2号さんにご指導をいただきつつ万全を期して作りあげたつもりでいたんですけど。レコーディングで実際に叩いてみたら、テンポが速すぎて、自分でも「速っ!!」となった楽曲でした(笑)。
ジン 靖乃くんが打ち込んできたトラックのベースも、人には弾けない演奏になっていたので(笑)。そこは、人が演奏できるようにと音を間引いて弾きました(笑)。
――今回、靖乃さんというソングライターが増えたのは、バンドにとっても大きなことですよね。
靖乃 自分の場合、こういう弾んだ楽曲ばかりにはなってしまうけど、こうやってバンドの中へ新たな彩りを加えられたことは良かったなと思いますし、それが自分の役割だとも思っています。歌詞については、「俺のことを書いてもらって、なんかすいません」って気持ちです(笑)
情次2号 ハイダンシークドロシーには、二人(靖乃&猫(ジン))を主人公に 書いてる歌があるけど、俺は何曲も書いてるのに一度も題材になってないからなぁ(笑)。『誕生花』は、ライブで演奏すると絶対に盛り上がるだろうなという風景が目に浮かぶ曲。しかも、僕には書けない曲調。あんな豊富なリズムパターン、僕は持ってないですからね(笑)。
――『蒼い砂時計』は、独特な色を持った歌ですよね。
谷琢磨 『蒼い砂時計』は五拍子という聞き慣れないリズムのように、聴いてて不思議な世界を感じると思うんですね。そこから、砂時計をひっくり返し続けるように、夢の世界をずっと無限ループのように行き来してゆく風景を歌詞に書きました。
靖乃 『蒼い砂時計』を演奏するのは恐怖でしかない(笑)。偶数のビートは身体が勝手に動くように得意としてるんだけど、奇数のビートは拍を意識してしまうというか、まして五拍子は滅多に叩くことがないように、演奏中も拍子を数えながら演奏しまうことが多いんですよ。
ジン 靖乃くんも言ってるように、五拍子など奇数系のリズムってノリを作るのが難しいように、演奏する側もある程度気持ちを自制しながらノリをつかんだ演奏を心がけないといけない。この曲に関しては、お客さんたちもどんな風にライブで楽曲を受け止め、どんな反応を返してくれるのか楽しみではありますね。
情次2号 『蒼い砂時計』はね、谷くんが変拍子の楽曲をやりたそうだなと思って作ったんですけど(笑)。七拍子の曲って割とあるけど、五拍子の曲は自分でもやったことがないなと思ってチャレンジしてみました。曲調としてはブルース調というか、ちょっと暗めな大人のジャジーなロックというテイスト。こういうクールな表情もアルバムの中へ入れられたのは良かったなと思ってます。この曲、どこか「スパイ大作戦」みたいな雰囲気も出しているように、そういうところも楽しんでほしいですね。
――完成した『夢寐の花』を聞きながら、アルバム用に書き下ろした新曲たちを通し、さらにハイダンシークドロシーの持つ表現の多様性を見せてくれたなと感じていました。
ジン これまでに培ってきたこと、これから求めたいと思っていたこと、足りない要素としてあった面を埋めることなど、1stアルバム『ヒトリランド』を踏まえたうえで必要な要素をしっかり詰め込めたのが、2ndアルバム『夢寐の花』なんだと思います。
谷琢磨 どの楽曲も大人っぽく上品に仕上がりながら、でも、少女ドロシーが持つ子供らしい視点も少し歌詞に出しつつ、ハイダンシークドロシーが持つ世界観をより深めたうえで作り上げることができたように、とても手応えのある作品になりました。
――ハイダンシークドロシーは、2ndアルバム『夢寐の花』を手にしたワンマン公演を収録し、それを10月2日に配信ライブとして届けることも決定しています。
谷琢磨 今回、谷の事情でいろいろと迷惑をおかけしつつ、心配もさせてしまった部分があると思うんですけど。けっして活動を止めるのではなく、今ある現状の中でできることを思案した中で出したのが、今回の形になります。今回は、谷だけ別の場所から参加し、三人と一緒にライブ収録をします。今の時代の中で見つけ出すハイダンシークドロシーとしての新たなライブのアプローチにはなりますが、収録したライブという一つの作品を配信する我々の新たな試みを楽しみに待っていてくださったら嬉しく思います。
情次2号 たとえ配信ライブだろうと、生で届けるばかりが正解ではないことを示してゆく新たな機会ですからね。確かに一つのテストケースにはなってしまうけど、そこでつかんだことを足掛かりに、さらに次のステップへハイダンシークドロシーは進んでいきたいなと思っています。
靖乃 僕らが考えるベストはこうだという形をしっかりお届けしますので、そこは楽しみにしていてください。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
2nd full album「夢寐の花」(むびのはな)
CD通常盤¥3,500/デラックスエディションパック¥9,800/配信盤¥2,037 (all tax in)
2021/9/18(sat)release
全13曲入り
通常盤 ¥3,500(tax in)
デラックスエディションパック ¥9,800(tax in)
(CD・off vocal disc+MV撮影時オフショット映像DVD・新アー写5枚セット・ビッグアクリルスタンド(白衣装版))
アットワークスストアにて発売!
https://at-works-project.stores.jp
収録曲
- 眠り薬のうた
- エルドラド
- 百花千紅
- 飾られた私と棘と事切れの部屋
- 猫と魔法のドルチェ
- アコーディオン弾きの男
- サンザシ
- 白黑有無
- オモイデオルゴール
- 誕生花
- 蒼い砂時計
- Aglaophotis
- 心温
10/02(土)
ハイダンシークドロシー1st ANNIVERSARY公演
「百花千紅」配信LIVE
https://twitcasting.tv/hsdorothy2020/shopcart/91794
MV「飾られた私と棘と事切れの部屋」
ハイダンシークドロシー Web
https://hsd.tokyo/
ハイダンシークドロシー twitter
https://twitter.com/HSDorothy2020
ハイダンシーク ツイキャス
https://twitcasting.tv/hsdorothy2020/
ハイダンシークドロシー Instagram
https://www.instagram.com/hide_and_seek_dorothy/?hl=ja
ハイダンシークドロシー 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCt3PHjRz-7ddjhPz9x4WKCg
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