声優の速水奨と野津山幸宏がパーソナリティを担う、朗読バラエティ番組「速水奨&野津山幸宏の今日、何読む?」。RakutenTV声優チャンネル内で、毎月最終金曜日のお昼に新作を更新中。この番組の肝になっているのが「朗読」のあらゆる可能性を広げること。そのうえで「バラエティ」の言葉も付くように、パーソナリティの2人とゲストを交えた軽妙な会話も嬉しい見どころになっている。2月配信回のゲストは、前回に引き続き声優の佐藤拓也。ここへ、収録の模様をお伝えしよう。
『何でも朗読』
日常にあるさまざまな文字要素を朗読する、このコーナー。今回選んだ題材が「ウインナー」。ラベルに記された商品の説明書を、速水奨・野津山幸宏・ゲストの佐藤拓也の3人で以下のように朗読した。
速水:名称、熟成ポークソーセージ。
野津山:天然腸使用。パリッとおいしい。
佐藤:原材料名。豚肉、豚脂肪、糖類、食塩、香辛料、調味料、保存料、酸化防止剤、発色剤。
速水:内容量、90グラム。保存方法、10度以下で保存。
野津山:おいしい召し上がり方。フライパンなどに油をひかず、中火で焼き色がつくまで、ころがしながら、焼いて下さい。
佐藤:70度から80度(沸騰しない程度)のお湯で、約5分間ゆで、温かいうちにお召し上がり下さい。
説明書に記された文章を、3人は最後まで「朗読」として順に読み進めてゆく。落ち着いた口調のもと、低音声を響かせた速水奨。同じく、落ち着いた口調の中にも凛々しさ覚えるしゃべり方を見せた佐藤拓也。野津山幸宏は、強い口調で商品の魅力を際立たせていた。彼らの朗読にかかると、ウインナーが濃密な味わいの高級食材に思えてゆく。その商品をどんな風に言葉で際立てるかも、朗読の技術の成せる技。
『オープニングトーク』
オープニングトークには、ゲストの佐藤拓也も最初から満面の笑顔を浮かべて参加。『何でも朗読』時に「ウインナー」の説明書を朗読した流れから、佐藤拓也は「ウインナーは茹でる派」と語りだした。 速水奨は「ビールや焼酎のおつまみにウインナーは合う。ケチャップソースで食べると美味しい」と話題を繋げれば、野津山幸宏がその美味しさを評価するように「ウィナー!!」と叫ぶ場面も。巧みにギャグを交えた速水奨・野津山幸宏のやり取り。そこへ少しだけ困惑する佐藤拓也の姿を、ここでは楽しんでいただきたい。
『即興あたかも朗読』
『即興あたかも朗読』は、白紙の本を片手に、読む順番を決めた3人が、一番手の人が妄想で読み(語り)始めた物語を、二番手、三番手と受け継ぎながら、無事結末まで話を綺麗に繋げられるか…という内容。佐藤拓也は、未知なる挑戦にちょっと怖がる様も見せていた。
今回、くじ引きで引き当てた題材が「もしも異世界に坂本竜馬が転生してエルフと恋をしたら」。この物語の創作を、野津山幸宏・佐藤拓也・速水奨の順番で実施。3人が即興で生み出した物語が、以下になる。
(あえて簡略化しまとめた文章ですので、ぜひ番組を見て、どんな風に語っていたのかを確認しながら楽しんでください)
激しい斬撃音のもと、坂本竜馬を一刀両断。その瞬間、頭の中を走馬灯のように想い出が巡る竜馬。その竜馬が目覚めた場所は、お花畑の中。竜馬は「ここが黄泉の国か」と現実を受け止めている中に現れたのが、耳の大きな変わった女性(エルフ)。彼女は竜馬に「ここで寝ていたんですか?大丈夫でしょうか??」と声をかけてきた。その姿を観た竜馬は、「耳がおっきいぜよ」と絶叫。エルフは「あなたはこちらの世界に来てしまったんです。ここは黄泉の国ではなくエルフの世界」と説明。竜馬は、そのままエルフの住む町へと連れていかれた。(野津山幸宏談)
エルフの家についた竜馬は、エルフに「あなたが落としたのは金の刀?それとも銀の刀??」と問われる。その問に、竜馬は「落としたのは鉄砲ぜよ」と答えた。竜馬の誠実さに心を開いたエルフは、竜馬に「鉄(大砲)の球(弾)と荒縄」を差し上げた。鉄の球を荒縄にくくり付け、首にぶら下げた竜馬は、エルフと一緒に外へ出た。そこには、「人間がやってきた」と噂を聞きつけ、その姿を一目見ようと集まった大勢のエルフたちがいた。だが、竜馬が首にぶら下げた鉄の球は、竜馬をエルフの仲間として見せる力を持っていたことから、すぐに竜馬は仲間として受け入れられた。竜馬は、エフルエルフの頼みで、龍王の城に住む王様へ会いに行くことになる。ただし、そこには一つだけ条件があった。それが「この領土の半分と、その鉄の球を交換してくれと言われても、けっして交換してはいけない」ということ。いきなり「勇者よ」と呼ばれ出した竜馬は、いざ龍王の元へと向かった。(佐藤拓也談)
龍王の国へ着いた竜馬。高さ340メートルもある城門を開けて城の中へ入った竜馬は、龍王の元へと向かうが、彼の目の前には一人の少女の姿があった。その少女は、龍王の娘。彼女は「今、王は貧血という病に伏せている。父を救ってくれたら、あなたのお嫁さんになる」と竜馬に懇願。その願いを聞き入れ、竜馬は首に下げた鉄の球を削り、鉄分を煎じて王に呑ませたところ、王は見事に復活。みずからを救ってくれた竜馬へのお礼として、王は「領土の半分を差し上げる」と伝えてきた。その言葉を聞いた竜馬は、「領土の半分と娘を嫁にもらっても良いが、エルフの娘も好きなので、嫁は2人でも良いか?」と国王に問いただした。その言葉を聞いた国王は… (速水奨談)
最後のオチは、番組をご覧になって確かめていただきたい。
今回は、とても長大な物語として展開。速水奨が創作した最後のオチについて、佐藤拓也が突っ込む場面も。さらに佐藤拓也は、「これは実力を試される創作ですね」とも語っていた。
『ガチ朗読』
朗読の魅力を堪能してもらおうと用意したのが、『ガチ朗読』のコーナー。前回に引き続き取り上げたのが、『神巫詞(カミウタ)』。この作品は、速水奨と野津山幸宏も所属しているRushStyleも協力。現在アニメーション化を目指し、MV制作やドラマCDの企画を進めているプロジェクト。内容について野津山幸宏が、以下のように説明してくれた。
「かつて古の神々が、世を混沌となす穢れを霊峰富士に封印し幾年月、神であるイオリは、御啼(みなき)稲荷神社の神職の一族とともに長年封印の監視を務めてきた。
時は経ち、封印の力が急激に弱まりだしたのを知ると、再封印のための方法を模索し始める。そして神社の宮司の娘・天乃遥歌(あまのはるか)が幼馴染の杵島裕也(きしまゆうや)とともにバンド活動に勤しんでいるのをみた彼は、その歌に穢れの再封印に使える力がある事に気付く。
イオリは人の姿となり、バンドを通じて遥歌たちに接触していく…」
ヒロインの天乃遥歌(あまのはるか)役を、RushStyle所属の声優/シンガーの福山沙織が担当。イオリ役を、この日のゲストの佐藤拓也が。正体は海辺にある神社の狛犬、浅間半平太(あさまはんぺいた)役を野津山幸宏が。御啼(みなき) 神社の神職を務める現宮司の天乃和雪(あまのかずゆき)役を速水奨が。御啼(みなき)神社の巫女役を、RushStyle所属の五十嵐麗が担当。
ここでは、番組用に書き下ろしたオリジナル劇を、速水奨・野津山幸宏・佐藤拓也に加え、声のみで福山沙織と五十嵐麗も参加し披露した。内容については、ぜひ番組を通して楽しんでいただきたい。
物語の深い設定とは裏腹に、今回の朗読劇では、バレンタインのチョコレートを題材に、娘の遥歌からのチョコを欲しがる和雪と、その様子について突っ込んでゆくイオリと半平太のやり取りを中心に物語は進んでゆく。最後のオチを受け、速水奨が●耳のカチューシャを付けたところ、佐藤拓也と野津山幸宏の演技を忘れたリアルな反応は、大きな見どころ。速水奨ファンなら見逃せないシーンだ。
しっかり者のイオリ、お調子者さ全開の半平太、雄々しい口調の割に意外と打たれ弱い和雪。深い包容力を持つ亜樹実、元気はつらつの遥歌。それぞれの声から、各自のキャラクターの魅力も探っていただけたら幸いだ。
『衣装朗読』
収録用に3人が身につけた衣装。これらは、原宿文化を紹介するウェブサイト「HARAJUKU POP WEB」が番組とコラボレートし、用意したもの。今回は、和洋折衷・オリエンタル・ロリータ・ゴシック・スチームパンクなど様々な世界観を提案するアパレルウェアブランド「Ozz On Japan」の最新衣装。
前回の配信では、それぞれが身につけた衣装の説明文をみずから朗読していたが、今回は、佐藤拓也が速水奨の衣装を。野津山幸宏が佐藤拓也の衣装を。佐藤拓也が速水奨の衣装をと、各々の衣装の説明文を朗読する形で進行。それぞれが、朗読に合わせどんな風にポーズを決めながら服のアピールをしてゆくかも見どころだ。
佐藤拓也が速水奨の衣装を朗読したときには、佐藤拓也のオーバーアクションを導きだす明るい声に呼応するよう、速水奨も大胆な動きを示していた。
速水奨が、野津山幸宏の衣装を朗読したときには、速水奨の落ち着いた口調に対して、かなり大胆というか激しいアクション混じりで野津山幸宏がポージングしてゆく。予想を超えた大胆な動きは、観ていて釘付けになるはずだ。収録を終えたときに、みずからのポージングについて「これぞNoz On」と語っていたことも裏話として伝えておこう。
野津山幸宏が佐藤拓也の衣装を紹介するときには、野津山幸宏が佐藤拓也を「派手なアクションをしてよ」と煽るように、大声で服を朗読。佐藤拓也も、野津山幸宏の煽るような声の指示を受け、跳ねたり、首を振ったりと、衣装紹介??というレベルを超えたオーバーアクションで想いに応えていた。2人のやり取りは、見どころも見応えも満載だ。
『エンディング』
エンディングコーナーでは、「『あたかも朗読』は奥が深いですね」(佐藤拓也)「あの物語のときは、いつもしゃべりながら考えてる」(速水奨)「言いながら俺は一体何をしゃべってるんだとなる」(佐藤拓也)と、『あたかも朗読』コーナーを終えての感想を語れば、「朗読の楽しさを再確認。もっともっと朗読をやっていきたい」とも、佐藤拓也が感想を述べていた。
第9回目となる次回の番組は、3月26日(金)に配信。次のゲストは斉藤壮馬さん。どんな朗読の魅力が飛びだすのか、こちらも楽しみだ。
『今日、何読む?カーテンコール!』
RakutenTV声優チャンネルの会員になった方だけが観れる「会員限定のおまけ動画」コーナーが、「今日、何読む?カーテンコール!」。
3人は、この日の収録を終え前向きな反省をしてゆく…はずが、なぜか速水奨と野津山幸宏のコミカルなやり取りに。そこへ突っ込む佐藤拓也の構図も楽しんでいただきたい。ここでも、「あのとき、なぜあのワードを持ってきたのかが不思議」(佐藤拓也)など、『あたかも朗読』を終えての感想を3人は熱く述べていた。さらに、『巫詞-KAMIUTA-』についても、3人が未来に向けた豊富を語っていた。
この模様が、どう編集されたかは番組をご覧になって確認してください。少しでも,現場ならではのエピソードが反映していたら幸いです。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
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MC:速水奨、野津山幸宏
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「神巫詞-KAMIUTA-」 Web
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