miwaの弾き語りライブツアー『miwa acoustic live tour 2023 “acoguissimo 5“ 』が5月28日(日)の北海道・札幌ペニーレーン24での公演をもってツアーファイナルを迎えた。
“acoguissimo”は47都道府県制覇を目標に 2011年からスタートしたギター1本で全国をまわる弾き語りライブツアー。日本武道館2days開催、ファイナルを横浜アリーナ開催など、女性シンガーとして史上初の快挙を成し遂げるなど話題も集め2018年6月に全国制覇を達成した。今回の“acoguissimo 5“は、前回の“acoguissimo 4”から約5年ぶりに開催となり、ライブを待ちわびていたファンで、各地で大盛況のツアーとなった。本ツアー『miwa acoustic live tour 2023 “acoguissimo 5“ 』の公演の中から、2023年5月12日(金)@Zepp Haneda公演のライブレポートをお届けする。JAPAN JAM2023への出演や、5月24日(水)にはニューシングル「ハルノオト」をCDリリースするなど、精力的な活動を続けているmiwaからも目が離せない。
【『miwa acoustic live tour 2023 “acoguissimo 5“ 』Zepp Haneda公演 オフィシャルライブレポート】
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前回の“acoguissimo 4”から約5年ぶりに開催となった、『miwa acoustic live tour 2023 “acoguissimo 5“ 』。“acoguissimo”のツアータイトル通り、miwaの代名詞ともいえるアコースティックギター1本“弾き語り”というスタイルで開催された。初日福岡公演からファイナル札幌公演まで、4月から5月にかけて全国12都市を回るツアーとなった。5月12日(金) Zepp Haneda公演では、ファンとのデュエット歌唱やアンコールでお馴染みのバンドメンバーejiとオバタコウジがサプライズで出演するなど盛りだくさんの内容となった。
開演前、Zepp Hanedaのステージには1本のマイクスタンドだけが準備されている。miwaがアコースティックギター1本で弾き語りライブをするためのステージセット、これ以上必要がないということは理解しているが、Zeppという会場にマイクスタンドだけが用意されている光景はなかなか見ることができない。堂々とセンターに置かれたマイクスタンドから、ある種の強さを感じるとともに“ギター1本弾き語り”の公演がどのようなライブになるのか期待が高まる。
会場のBGMがフェードアウトし、暗転。miwaがステージに姿を見せセンターへと歩いていき、観客は大きな拍手で迎える。まさにライブがスタートするという緊張感がありながら、胸の内は“ライブが始まる”高揚感に包まれていた。miwaがステージ上でギターを受け取り、ひと呼吸置くと、ギターソロからライブがスタート。1曲目は、このツアーのためにイントロをアレンジしたバージョンの「chAngE」。イントロのギターで観客を煽り、頭サビを歌い上げると「いけるか東京!」と観客を煽る。“弾き語り”と聞くと落ち着いたイメージを持つことが多いと思うが、miwaは歌声とギター1本で開演直後からトップギアで会場を盛り上げる。呼応するように観客は手を上げ、声を出し、タオルを回し、一気に会場が熱気に包まれた。「こんばんは、miwaです。acoguissimoへようこそ、みんな一緒に歌える?」と短めのMCから「君に出会えたから」を披露。
挨拶を交えつつ、「声出しライブも久々なので、みんなの声を聴きたいなと思って今日はここにきたので、ぜひ一緒に歌って一緒に盛り上がって、最後まで一緒に楽しもうね!」とこのライブをいかに楽しみにしていたかを伝える。(政府からの感染対策のガイドラインが廃止されたことを受けて、本公演はマスク着用での声出しOKという方針で実施)そして、「学生の青春をテーマに書き下ろした楽曲なので、みなさんの学生時代を思い出しながら聴いていただけたらと思います」とTVアニメ「MIX MEISEI STORY ~二度目の夏、空の向こうへ~」エンディングテーマの新曲「ハルノオト」を披露。「ハルノオト」は5月24日(水)にCDリリース。With ensembleでのオーケストラアレンジも記憶に新しいが、アコースティックギター1本でのアレンジも素晴らしかった。そして、「Napa」を続けると自然と客席からは歌に合わせてクラップが鳴る。
MCでは、ここまでのツアーの思い出を振り返ったり、ツアーに対する思いなどを和やかに話したり、miwaひとりだからこその観客との近い距離感のコミュニケーションが印象的だった。「ここからはぜひゆっくりと座って聞いていただけたらと思います。」と、今年2月にリリースしたEP「バレンタインが今年もやってくる」に収録されている「Love me」を丁寧に歌う。続けて、2012年2月にリリースしたシングル曲であり、今なお聴かれ続けている「片想い」。こちらもEP「バレンタインが今年もやってくる」に収録されており、意外にも、このEPに収録されるまで“アコースティックバージョン”がなかった楽曲である。4月に公開されたWith ensembleでのオーケストラアレンジver.も素敵だったが、弾き語りで聴く「片想い」もまた違った魅力を持っていた。
“acoguissimo”恒例の「miwaに言いたい聞きたいコーナー」が始まる。事前に会場でファンから募集したメッセージを紹介しながら、メッセージの送り主のファンと直接言葉を交わす。楽しげな雰囲気でコミュニケーションをとるmiwaとファンの姿に“acoguissimo”ならではの距離の近さ・あたたかさを感じた。続いて、「「2月14日」を一緒に歌ってくれる方を募集します!」と会場に声をかけると一斉に観客の有志が手を挙げる。その中から選ばれたのは3歳の女の子。かわいらしい姿でステージに上がった女の子を、miwaを含め会場全員が温かい目で見守る中、「2月14日」をデュエット歌唱。ステージの上で堂々と、一生懸命に歌う姿に心を打たれずにはいられなかった。ファンが歌う2番の川崎鷹也パートでは、miwaも女の子に目線を合わせ優しい表情でギターを弾く。歌い切った二人に会場からは盛大な拍手が贈られた。
「ここからライブも後半戦!盛り上がっていけますか?歌えますか東京!」と盛り上げ、「次の曲ONENESS!」と昨年末のビルボードライブツアーでも歌唱した「ONENESS」を披露。観客が“Oh oh oh oh oh…”や曲中の掛け合いを歌い、会場がまさしく一体感に包まれていく。その雰囲気のまま「B.O.Y」、「ヒカリへ」を続ける。ライブの終盤にもかかわらずライブパフォーマンスのクオリティが全く落ちず、むしろ凄みが増しているように感じられ、ただただ圧倒される。
「楽しい時間はあっという間で、次の曲で最後となります。きっと普段からmiwaの曲をすごく聞いてくれているんだな、と伝わってきて、こうしていつも聞いてくれているみんなに直接会えて本当に嬉しくて、久しぶりにみんなの声も聞いてパワーをもらいました。ありがとうございます。今日ここにいるみんなに少しでも自分らしくいられるパワーを歌で届けたくて、この曲を選びました。この先みんなと一緒に“数えきれない季節を越えていきたい”そんな思いを込めて最後に歌います」と伝え、本編ラストの楽曲「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」を丁寧に歌い上げる。5月6日(土)にJAPAN JAM2023のステージのラストでも弾き語りでパフォーマンスした楽曲だが、miwaのギター・歌声に乗って、曲に込められたメッセージがまっすぐに届いてきた。
本編が終了し、miwaが退場すると、会場にはアンコールを期待する手拍子とmiwaを呼ぶコールが響き渡る。
「春になったら」の印象的なイントロが流れ始め、ギターを持たずにmiwaがステージ上に登場。「楽しませたい!」という気持ちが伝わってくるライブ構成に、miwaのライブに対する姿勢を垣間見ることができた気がした。
「では、今日はスペシャルゲストが来てくれています。」とステージに、お馴染みのバンドメンバーejiとオバタコウジがサプライズ登場し会場は大盛り上がり。ejiが鍵盤ハーモニカ、オバタコウジがアコースティックギターを持ち、3人で「Faith」を息の合ったパフォーマンスで披露した。
ゲスト登場してくれた二人を大きな拍手で見送り、感謝を伝えつつ、ライブは本当の終盤へ。そして、miwaが高校生の頃から歌い続けている、思いのこもった「そばにいたいから」に会場が引き込まれていく空気を感じた。「最後に、弾き語りツアー“acoguissimo”で生まれた曲をいっしょに歌ってくれますか?」と、本日最後の曲「アコースティックストーリー」を会場と一体となって歌い切った。
そして、会場に詰め掛けた観客と記念写真を撮影し、「最高の盛り上がりで、みんなとさよならするのがさみしいよ!またこうしてライブで会いましょう!今日も最高の時間を本当にありがとうございました!」と残し、本公演は終演となった。次の“acoguissimo”では、どのような姿・歌声・パフォーマンスを見せてくれるのか今から楽しみだ。
『miwa acoustic live tour 2023 “acoguissimo 5“ 』 2023年5月12日(金)@Zepp Haneda
<セットリスト>
01. chAngE
02. 君に出会えたから
03. ハルノオト
04. Napa
05. Love me
06. 片想い
07. 2月14日
08. ONENESS
09. B.O.Y
10. ヒカリへ
11. あなたがここにいて抱きしめることができるなら
EN1. 春になったら
EN2. Faith
EN3. そばにいたいから
EN4. アコースティックストーリー
Photo by 佐藤 薫
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