本当なら、ポリープ手術を乗り越え、復活を告げるように2020年3月よりふたたび全国各地のライブハウスを舞台に、たくさんの仲間たちと一緒に、「NEO CHAPTER」TOURと題したイベントツアーを行なうはずだった。いや、2020年3月8日に、愛沢絢夏は渋谷AUBEの舞台へ134日ぶりに立ち、復活の声を高らかに上げ、ツアーを幕開けた。だが、その声はコロナ禍によって広まった自粛という風潮によって、ふたたび閉じてしまった。愛沢絢夏を筆頭にしたTEAM AIZAWAも、ライブハウスを守るためにツアーを中断・延期。昨年夏頃より自分たちの手で環境を改善しながら、少しずつライブ活動を再開させていった。
愛沢絢夏は、昨年10月の誕生日時期に、中断していた「NEO CHAPTER」公演を復活。今年1月に無料配布CD「OVER LIMIT」を手に「愛沢絢夏 入場無料60minワンマンツアー『OVER LIMIT 2021 東北招致』」。そして、「AIZAWA AYAKA RESURRECTION TOUR「NEO CHAPTER 2020」」と題し、止まっていた「NEO CHAPTER」TOURをふたたび始動させた。
7月4日(日)、愛沢絢夏は生まれ故郷の福島県にあるライブハウス郡山PEAK ACTIONにいた。この日愛沢絢夏は、AKARA/Unwave/CREA/アキレスと亀、4組の仲間たちと共にイベント「NEO CHAPTER」を行なっていた。当日の模様を、ここに紹介したい。
アキレスと亀
イベントのトップを飾ったのが、地元福島県を拠点に活動しているアキレスと亀。冒頭に持ってきた「虹の結晶」を演奏し始めたとたん、フロアから熱い手拍子が沸きだした。メンバーらは勢いを持ったギターロックナンバーの上で、気持ち躍るメロディーを会場中へ泳がせてゆく。胸をくすぐる歌が心地好い。風切るように駆け抜けるサウンドも爽やかだ。
歌始まりの「スプートニク」が、さらに蹴り上げるよう熱を持って駆けだした。胸をくすぐる爽やかな歌を軸にしながらも、演奏にはしっかり熱を蓄えている。その熱に気持ちがシンクロしたとき、感情がクッと上がる感覚を覚えた。激しくギターを掻き鳴らし歌いながらもその楽曲へ爽やかさを覚えるのは、彼らの人間性が反映しているから??
この空間を黄昏タた世界へ塗り替えるように、アキレスと亀はゆったり、しっとりと「琥珀」を歌い紡ぎだした。胸の内に渦巻く切ない気持ちを、彼らは愛しい人へ想いを馳せるように歌っていた。その歌は、切ないという心を優しくキュッと揺さぶってきた。ちょっとだけセンチな気分を覚えながら、今は「琥珀」に浸っていたい。終盤,スケールを増してゆくドラマチックな展開も嬉しい聞きどころだった。
雄大なストリングスの音色も背景に、アキレスと亀は軽快にステップを踏むように「レイニーサンデイ」を歌唱。胸弾む楽曲に触発され、フロア中からも手拍子が生まれだした。この空間に、切ない心ヘ、彼らは少しでも光を射そうとするように、跳ねた演奏に乗せどしゃぶりの心に光を連れてきた。たとえ悲しい気持ちでも、演奏に光が射せば、やっぱし気持ちは晴れてゆく。
アキレスと亀は、最後に「Signal」を演奏。その歌に、演奏に触れていると、気持ちがどんどん軽やかになる。フロア中から手拍子が起きれば、掲げた手を揺らす様が生まれていたのも、アキレスと亀が楽しいという輝きを心へ注いでくれたからだ。ワクワクする期待感を会場中へしっかりと作り上げ、アキレスと亀は次の演者へとバトンを渡していった。
Unwave
仙台で誕生、今は都内を中心に活動中のUnwave。彼女たちのライブは、この場を爽やかな青空広がる空間へ染め上げるようにスタート。その楽曲が放つ色や、歌い演奏する人の心の色次第で、同じ空間でも景色は様変わる。それを、Unwaveはいきなり1曲目から示してくれた。FRAMの胸をキュッと疼かせる晴れた歌声も胸に心地好い。
胸の内に想いを沈めるように、Unwaveは「シークレットシェルター」を凛々しく歌いかける。意外と重さを持った楽曲だが、Unwave自体が明るい色を持ったユニットのように、感情を振り乱し歌う楽曲も、気持ちを熱く揺さぶるパワーを持った歌として心へ響いてきた。その熱情に刺激を受け、フロアからもたくさんの手が空へと突き上がっていた。
次に披露した「Just Fine」は、Unwaveの最新シングルの収録曲。こちらも,ジンワリ重くせまる楽曲だ。切ない想いと演奏がシンクロしながら、触れている人たちの心にも切ない色を塗り重ねてゆく。「声を聞かせて」と、心に秘めた想いを叫ぶように歌う声に胸が痛く縛られる。切ない感情に次第に明るさが増してゆくのに合わせ、フロアでも大きく手を振る人たちがいた。
ふたたびフロア中へ輝きを連れだすように、Unwaveは「ANSWER」を力強く、触れた人たちの心へ光を注ぐように歌いだした。彼女たちの晴れた歌声や演奏に触発され、フロア中の人たちも跳ねたり、伸ばした手を大きく揺らしながら、一緒に光の中で抱き合おうとしていた。彼女たちの示した一つの答え、それが、見ている人たちの希望へと繋がっていく。触れた人たちを光包む世界へと連れてゆくその歌に触れているだけで、気持ちが嬉しく騒ぎだす。
「楽しんでいこう」。Unwaveは「ゴールデンウィーク」を歌唱。フロア中から温かい手拍子が響き渡る。心地好く弾む演奏に合わせ、場内中の人たちが笑顔浮かべ飛び跳ねていた風景も、見ていて微笑ましい。Unwaveの歌に触れていたら、いつの間にか一緒に大きく手を振り、輝く世界の中で笑みを浮かべ楽しんでいた。曲が持つ表情に合わせ、聞いてる人たちの心も塗りかえてゆく。そんな素敵な魅力をUnwaveのライブを見ながら感じていた。
最後にUnwaveは、超弾けたアゲアゲのポップチューンであり最新シングルの「Get Over」を、思いきり心を解き放ちながら歌っていた。その歌が、Unwaveという存在そのものが、人を惹きつける輝きだ。眩しい歌や演奏に触れたくて、たくさんの人たちが舞台に向かって手を伸ばす気持ちもわかる気がする。そんな素敵なひとときを、彼女たちは届けてくれた。
AKARA
J-Trad Rock(和楽器ロック)Bandとして活動中のAKARA。ライブは、観客たちの気持ちを最初からMAXまで引き上げるように「孤高」からスタート。フロア中の人たちが、感情を熱く昂らせる激烈な高陽曲に合わせ、拳を高く振り上げ、大きく身体を折り畳みだした。それはまるで、孤高の巫女に向け熱狂と共に心ひれ伏す儀式のよう。AKARAは、冒頭から観客たちを自分たちの懐の中へ取り込みながら、この会場へ嵐を巻き起こそうとしていた。
その演奏は、次第に勢力を増すように大きく、熱く、激しく膨らんでゆく。美しくも過激でドラマチックな展開を描きだす「STORM」の歌や演奏に合わせ、フロア中が突き上がる無数の拳の景色に染まっていた。MIKIKOの熱い煽りに触発され、誰もが心の声を大きく上げてゆく。人の気が放つ熱が熱を呼び、会場中を熱していく…。
「東北の地を本気で愛して盛り上げたいんですよ」と、MIKIKOが熱い想いを語りだす。その熱い気持ちをインスト曲の「夏疾風」の演奏に変え、AKARAはぶつけてきた。笛の音色をリードに、激しく荒ぶる演奏を叩きつけるメンバーたち。情熱的な演奏でせまりながらも、巧みに緩急のドラマをメンバーたちは作り上げる。表情の変化に合わせ、身体を折り畳んだり、拳を振り上げてと柔軟に対応していく観客たちの適応力もさすがだ。
沸き立つ熱を、影も背負った情熱的な風景に変えて届けるように、AKARAは「KAGEROU-陽炎-」を歌いだした。美しくたおやかな。でも、熱情秘めたMIMIKOの歌声に、拳やタオルを振り回し、想いをぶつける観客たち。煌めいた情緒あふれた楽曲だろうと、上がったこの熱情はもう止められない。終盤には、MIKIMOの声と心で熱く想いを交わしあう光景も生まれていた。
「叫んで、飛んで、ストレスを吹っ飛ばす。AKARAと言えばこの曲ですよ」の言葉に続いて飛びだしたのが、触れた瞬間に叫ばずにいれない激情した気持ちへ身体中を染め上げる「BERSERKER」だ。最初から会場中の人たちが大きく手を振り、その場で思いきり跳ねていた。誰もが止まることなく、AKARAの熱情した華やかで高陽した演奏に身を任せ騒ぎ続けていた。アガれ、アガれ、そのまま赤々と情熱を燃やしながらアガり続けていけ!!
熱情したフロアへ、AKARAはさらに熱い刺激を注ぎ込むように「Shut xxxx up!!」をぶつけていった。激烈な音が熱く吹き出したマグマのよう身体中へ降り注ぐ。理性なんてとっくに消し去った獣たちが、舞台の上やフロアという境界線を飛び越え、一つになって騒ぎ続けていた。これぞ、宴だ。AKARAが作りあげた魂を開放する興奮や高陽という服をまとった極上の宴だ。なんて熱い、カロリーの消耗度の高い。でも、艶やかなライブだろう。人を妖しく狂わせる、それもまた最高の演目じゃないか。
CREA
ベースのHirokaが、愛沢絢夏のライブメンバーとしても活動中。CREAは「Indelible flame」を叩きつけ、最初からフロアに無数の拳を突き上げれば、感情を熱く揺さぶる演奏で、観客たちの身体を激しく折り畳みだした。CREAらしい始まりじゃないか。観客たちへ挑みかかるように歌い叫ぶNaki。振幅激しいドラマを描きだす楽曲が、魂を熱く揺さぶる。ここでも、早くからフロアは熱狂に包まれていた。
CREAは、さらに熱い音をぶち噛まし、フロアを騒ぎ狂う宴の様へ染め上げようと「Flying High」を演奏。Nakiの突き上げる拳へ呼応するように、フロア中から無数の拳が突き上がれば、こん棒を振り回したような野太く重い演奏が、観ている人たちの気持ちをガンガンに引き上げてゆく。とても豪快で熱いライブだ。落ちサビで胸をグッと揺さぶる場面も導きつつ、CREAは激しく猛る演奏で、観客たちの理性をどんどん消し去っていった。
「飛べ!!」の声を合図に飛びだしたのが、ラウドでヘヴィなグルーヴが魅力の、重く跳ねる「Flap×Slap!」だ。誰もが心の中で「Fu Fu~」と甘い裏声を上げ、高く手を突き上げ、唸る演奏へ身を任せながら跳ね続けていた。逞しいその演奏は、気持ちを空っぽにするどころか、ナチュラルにトリップさせる。途中に登場したHirokaのベースソロでは、会場中の人たちがしゃがみながら、両手を彼女に捧げるように振ってゆく場面も登場。その後も、重く、激しく唸る演奏と煽る歌声を武器に、CREAは観客たちを熱狂の渦の中へとどんどん巻き込んでいった。
ゴリゴリとしたベース音が、感情を爆発させろと合図した。理性を轟音で吹き飛ばすようにCREAが突きつけたのが、「GO+ON」だ。轟音を轟かせた演奏の上で、Nakiが声を張り上げ続ける。パワフルな音の衝撃に身を嬉しく奮わせた観客たちが、激しく身体を折り畳み、高く高く拳を突き上げ続けていた。
Nakiの気持ちの内側に隠し持った切ない想いの声。でも、彼女の歌の導火線が発火したとたん、轟くような演奏が襲いかかった。CREAは「Reincarnation」を武器に、フロア中の人たちを熱狂の虜にしてゆく。冒頭からずっと高いテンションのまま、CREAは止まぬ刺激を与えていった。ノンストップな衝撃。それこそが、CREAらしいじゃない。
最後にCREAは、長くライブの中に興奮と高陽、熱狂を描き続けてきた「GO+AHEAD」をぶち噛ました。理性やら感情やら、人を司る意識をすべてなぎ倒し、本能だけの姿へ変えるように、CREAは「GO+AHEAD」を叩きつけ、フロア中に革命を起こしていった。これがCREAの本質だと示すように、観客たちを拳突き上げる獣に変えながら、最高に熱した空間を作り上げ、トリを飾る愛沢絢夏へ熱狂のバトンを手渡した。
愛沢絢夏
熱い手拍子に迎え入れられて,愛沢絢夏が舞台へ登場。トリを飾った愛沢絢夏のライブは、このシリーズツアーの始まりにも関連した楽曲の「OVER LIMIT」から幕を開けた。歪みを上げた重い音が全身へ一気に襲いかかる。愛沢絢夏は昂る気持ちをさらに奮わせながら、今を必死に生きる人たちに、愛沢絢夏を本気で支えてくれる仲間たちへ向け、何度挫折したっていい、何度だって立ち上がりながら未来へ進み続けよう。その気持ちをあきらめず、投げ出すことなく抱きながら、一緒に挑み続けようぜと声を上げてきた。「あいつが言った言葉なんて僕が消し去ってあげるから」と歌う熱情したその言葉こそ、最高のエールだ、突き上げた拳、もう下ろせやしない。
ここで、ギターの弦が切れて演奏が止まるというハプニングが。そんなトラブルさえ笑顔で消し去る愛沢絢夏。ふたたび熱気を取り戻すように突きつけたのが「Be Crazy」だ。ここからは、最後までアガり続けるしかない。この曲は、限界さえ飛び越え熱狂しようぜという合図。誰もが「For Crazy」と心の声を張り上げ、その場で高く高く飛び跳ねながら、クレイジーな野獣と化してゆく。騒いでナンボ、自分の気持ちを本気で開放してこそ愛沢絢夏のライブ。だからこそ、思いきり拳を振り上げ騒ぎ続ければいい。理性なんて言葉は、とっくにどっかへふっ飛んでしまったようだ。
飛びだしたのが、最新シングル「REAL」に収録した「Stay alive」。早くもこの曲は、愛沢絢夏のライブで一体化した熱狂を生み出すのに欠かせない楽曲になっている。愛沢絢夏も、挑みゆく姿勢のまま、声を荒らげ、胸の内から沸き上がる想いを叫びに変えていた。「叫べ!」「壊せ!」という言葉が、気持ちを熱く掻き立てる。
止まることのない演奏は、さらに熱に熱を重ね、大きく熱狂を脹らませてゆく。会場中の人たちが、「もしも今日世界が終わるとしても」に合わせ、熱く手拍子をぶつけだす。愛沢絢夏の動きに合わせ大きく手を振りながら、誰もが「オーオー!」と心の声を張り上げていた。もしも今日世界が終わるとしても、ここで騒ぎ続けていた人たちは、後悔のない時間を送っていたに違いない。毎回毎回を全力で、全身全霊でぶつかるのは、何も舞台上のアーティストたちだけではない。フロアを彩る一人一人も、同じよう後悔のないひとときとして楽しみたくて、胸を張って生きていけるようにと心の声を張り上げ、全力で手を振りながら飛び跳ねていた。
最後に愛沢絢夏は、「wake up」を熱唱。愛沢絢夏自身が、模索の中から自分らしさや、歌い手として生きるみずからの指針を見いだしたときに生まれた楽曲を、仲間たちとともに未来を切り開くために行なった「NEO CHAPTER」TOURのファイナル公演の最後の曲として歌っていた。彼女自身の人生の岐路を示す道標となった歌を、信頼のおける仲間たちと一緒に、声を張り上げ歌っていた。それが、愛沢絢夏が証明した一つの答えだ。
今もいくつもの動きを平行し、新たな動きも示しながら、愛沢絢夏は各地のライブハウスで歌い続けている。それが今の愛沢絢夏が、TEAM AIZAWAが導き出した答え。ならば僕らも、それを全力で楽しもうじゃないか。
PHOTO: 村長(https://twitter.com/son_tkhs)
TEXT:長澤智典(https://twitter.com/nagasawatomonor)
★インフォメーション★
■アキレスと亀
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■Unwave
【リリースツアー情報】
Unwave 1st Single「Get Over/Just Fine」Release Tour
“GET OVER TOUR 2021”
6/26 大阪・6/27 名古屋・7/3 宮城・7/4 福島・7/16 新潟・7/24 群馬
-TOUR FINAL ONE MAN LIVE-
・8/21(土) 渋谷eggman 開場16:30/開演17:00・前売3,000円 (+1ドリンク代別途)
チケット取扱元:TIGET特設ページ⇒ https://tiget.net/events/131891
ツアー詳細はコチラ⇒ https://bit.ly/2SlscT2
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■AKARA
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■CREA
『Indelible flame』- Music Video
[CREA Official Twitter] https://twitter.com/crea_music
[CREA Official Web Site] http://crea-music.com/
■愛沢絢夏
・2021年6月20日 9thシングル「REAL」リリース
・new single「REAL」 リリースツアー『REAL ANSWER』開始!
・7/11 栃木・7/18 青森・7/22 新潟・7/24 群馬・8/07 愛知・8/08 大阪・8/10 兵庫・8/11 岡山・8/13 広島・8/14 愛媛・8/15 福岡・8/29 京都・9/10 長野・9/11 石川・9/19 神奈川・9/23 静岡・9/24 愛知・9/25 愛知・To NEXT→
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[愛沢絢夏 Web Site] https://a-ayaka.com/
[愛沢絢夏 YouTube] https://www.youtube.com/channel/UCZHM54-895Jw4sYQtgwNZ5A