6月21日(月)、渋谷Star loungeを舞台に、爆弾幸気圧Ⅲとエルフリーデが2マン公演『4ねんめセッション!!』を行なった。チケットはSOLD OUTを記録。知り合って4年目ということで名付けられた『4ねんめセッション!!』のタイトル。最後には、セッション演奏も登場。2バンドがどんな熱いライブを繰り広げたのか、当日の模様をお伝えしたい。
爆弾幸気圧Ⅲ
この日は、爆弾幸気圧の最新シングル「No!No!クライマー」の発売日。ライブの冒頭を飾ったのも、最新シングルの「No!No!クライマー」。しかも、いきなりMiyukiとkurizabethのツインヴォーカル・スタイルで届けてきた。音が爆裂した瞬間、フロア中から熱い手拍子が起き、拳が高く突き上がる。暴走するハリケーンのような音に乗せ、Miyukiが、kurizabethが、観客たちを煽り続ける。身体をつんざく凄まじい音が全身を直撃すれば、オラオラと煽る2人のヴォーカリストたちが激熱な歌声をぶつけてゆく。早くも、心臓がバクバクと騒ぎだす。
勢いをさらに増幅させるように爆弾幸気圧Ⅲが激音轟かせたのが、「DESIRE」。ここからは、Miyukiがヴォーカルを担当。破壊的な衝動を満載した演奏の上で、Miyukiのハイトーンヴォイスが美しく、でも豪快に心を突き刺してゆく。魂を射抜く歌声に触れ、さらに心へ熱いエナジーが駆け巡る。今はただ、Miyukiと一緒に欲望に導かれるままに拳を振り上げればいい。ノイズにも似た轟音の洗礼を浴びていたら、じっとなんかしていられない!!あふれだす欲望のまま、心の声を張り上げたい!!
さぁ、2STEPを踏みながら身体を揺らせ。感情を心地好く高ぶらせる「3.3.7」に合わせ、フロア中の人たちが拳やタオルを振りまわし、Miyukiの「わっしょい」の掛け声に合わせ、身体を大きく揺らしながら舞台の上へ想いをぶつけていた。熱気ムンムンの中、三三七拍子のリズムに合わせ、Miyukiと観客たちが何度も何度も「わっしょい」のやりとりを繰り返していた。
MCでは「音楽性は間逆なのに、なんでこんなにも仲良くなれたのかわからない」と言いつつ、「エルフリーデに友達がいない!とベースの李奈から連絡があり今日の2マンが実現した」と、ベースのZakuが語っていた。さらに、「最新シングルのC/Wに入れた曲は自分からみんなへの手紙として書いた」こともZakuは語ってくれた。
次のブロックは、kurizabethがヴォーカルを担当。彼女の「爆幸はつねに進化しています」の声を合図に飛びだしたのが「ゼンシンFUTURE」。重厚な音が全身に降り注ぐ。MCでの甘い声とは裏腹に、野太い声を張り上げ観客たちを煽るkurizabethの姿は、MCのときとはまるで別人だ。ドシッと舞台に仁王立ちしながら、雄々しい声を張り上げ観客たちを煽るkurizabeth。フロアでも、彼女の動きに合わせ大勢の人たちが手にしたタオルや拳を振りまわし、身体を大きく揺さぶり、爆弾幸気圧Ⅲの突きつける音へ全力でぶつかっていた。互いが本気で気持ちをぶつけ合う。そこで生まれる熱気が、とても気持ちいい。舞台から飛び下りんばかりに前のめりな姿で歌うkurizabethもイカしているじゃない!!
続く「GAW」でkurizabethは、フロア中の人たちをしゃがんでは大きくジャンプさせていった。爆弾幸気圧Ⅲの中でも開放的かつアッパーでメロディックな疾走チューンのように、気持ちをアゲるエモい楽曲に身を任せ、誰もがタオルや拳を振り上げ、大きくジャンプ。この会場を、心を自由に解き放つ熱いパーティ空間に染め上げていった。それにしてもkurizabeth、小粒なのに、とても逞しい姿を見せてゆくじゃない。
この日のギターのスーパーさったんとMARINは、Zakuが初めてバンド組んだ仲間。その友情パワーをZaku自身も楽しんでいた。
ここからは、ふたたびツインヴォーカル・スタイルへ。「開けたじゃん、何かが」、kurizabethの煽る熱い言葉を合図に、爆弾幸気圧Ⅲはふたたび新曲の「No!No!クライマー」を演奏。フロア中に無数の拳が高く高く突き上がる。2人の歌い手が、轟音を背に押しの強い声を突きつける。オラオラな姿で煽られ、静かにしている奴なんて一人もいない。最後尾の人たちまで身体を大きく揺らし、拳を振りまわしながら、轟音の渦に嬉しく巻き込まれていた。できることなら、このままどっぷりと溺れ続けていたい!!
最後に爆弾幸気圧Ⅲが突きつけたのが、「爆攻ハリケーン」。この日の爆弾幸気圧Ⅲのライブは、まさに熱気(温かい海水)を吸い上げ、大きく膨らみパワーを強めてゆくハリケーンそのものだ。彼女たちは歌う、「全部全部巻き込め それが爆攻ハリケーン」と。その姿勢を彼女たちは示していた。むしろ、ここまでが一瞬のようだった。始まりから終りまでずっと爆音と熱狂の中、理性のスイッチを完全にオフにしながら、まさに”ライブ”を味わっていた。
エルフリーデ
熱い手拍子が鳴り響く場内。その手拍子に導かれ、ヴォーカルのみくるが姿を現した。エキセントリックな山吹りょうのギターの旋律を合図に、エルフリーデは「Break Heart」を演奏。哀しみから希望をつかもうとするように、絶望を超え生まれ変わろうとするよう、演奏も、みくるの歌声も、サビへ向かって感情を高めてゆく。気持ちを解き放ったようなサビ歌の演奏と歌声が胸を揺さぶり、爽快な気持ちに心を染めてゆく。メロディアスで抑揚を持ったサビ歌を聞いていると、一気に心に光が射すようだ。どんな逆境に身を浸そうが、この歌を相棒に笑顔をつかめそうな気持ちになれる。それが嬉しい。
心を晴れた空間へ連れだすように、みくるの歌声が明るく響きだした。エルフリーデは「Empty」を通し、この空間にいくつもの眩しい光を降り注いでいった。たとえその歌に、心痛む感情を綴っていようと、エルフリーデの楽曲に触れていると不思議と気持ちが晴れてゆく。それは楽曲の持つパワー?!エルフリーデというバンドが輝いている理由の一つ?!内向的な彼女たちだけど、みんな心に眩しい光源を持っている。その光が楽曲を通してあふれ出てくるから、惹かれてしまうのだろう。
みくるの手拍子に合わせ、フロア中の人たちが共に手拍子をしだす。胸をキュンとさせる青春模様を抱いた「ハルユメ」が、心に温かい風を吹き込んでゆく。その歌のは、とても温かい想いを運んでくれた。みくるとギターの山吹りょうとの歌の掛け合いも、心地好い。「ハルカゼ」に触れていると、彼女たちと一緒に青春という景色の中で、ドキドキしながら夢を見れる気持ちになれる。それが旅立ちの歌だとしても、その歌は間違いなく、僕らを忘れたくない眩しい青春の季節に連れだしてゆく。
MCでは、爆弾幸気圧とエルフリーデとの友情について語っていた。
次のブロックは、気持ちをドキドキとアゲてゆく「Coffee」から。この楽曲でも、エルフリーデは少しずつ感情のボリュームを上げるように、楽曲が進むごとに気分を高めてゆく。女の子のビターな心模様へ、3人の演奏やみくるの歌声が甘さを加えてゆく。そこにドラマを覚えるから、どんな苦い気持ちでも、僕らは心を潤す温かい歌として、楽曲に込めた想いやドラマを受けとめてゆく。
「栄光へのエール」が流れたとたん、舞台上も、フロアの人たちも瞬時に沸きだした。高まる気持ちを一気にスパーク。心をドキドキ、ワクワクときめかす楽曲に触発され,気持ちが嬉しく騒ぎだす。熱を携え駆ける演奏へ一緒に飛び乗り、突きあげた拳を大きく振りながら、4人とともに眩しい道の上を走りたい。彼女たちの送るエールが、僕らに明日へ踏みだす勇気を注ぎ込む。きっと彼女たちと一緒なら、何かを乗り越えていける気がする。
「そろそろ汗かきますか」の言葉を合図にエルフリーデが演奏したのが、アゲアゲの爆裂チューン「MONSTER」。身体を揺さぶる豪快な演奏に合わせ、フロア中の人たちが大きく身体が揺らせば、たくさんの拳を突き上げてゆく。胸を熱く、嬉しくくすぐるキャッチーなサビ歌に触れ、気持ちがドキドキ高まりだす。メンバーたちも、身体中から熱情した力を振り絞りながら。でも、エルフリーデらしい愛らしくポップな姿もしっかりと示し、この空間を熱く、楽しく沸かせていた。とてもパワフルで雄々しい歌だ。高ぶる気持ちが、今はとても心地好い。みくるの可愛い煽り声も胸をキュンと熱くしてゆく。そして…。
フロア中に生まれた熱気へさらに熱狂というスパイスを振りかけるように、エルフリーデは最後に「PASSION」を演奏。フロア中から熱い手拍子が起きれば、サビ歌では誰もが大きく拳やタオルを振っていた。メンバーたちも情熱を抱いた演奏や歌声をぶつけ、会場に生まれた熱い空気を嬉しそうに感じながら、笑顔でライブを楽しんでいた。激しく騒ぐだけが熱狂じゃない。ともに気持ちを分かち合い、心をさらけ出せるのも熱狂だ。
セッション
ここで爆弾幸気圧Ⅲのメンバーが舞台へ登場。爆弾幸気圧ⅢのMiyukiとkurizabethのツインヴォーカルにベースのZaku、エルフリーデからギターで山吹りょうとドラムがゆーやんという編成で届けたのが、エルフリーデの「Vibration」。心地好く駆ける演奏にラウドな香りを降り注いだ楽曲が、観客たちの感情を熱く刺激してゆく。嬉しい組み合わせの中、というか、暑苦しいメンバーたちの中へ、山吹りょうも暑苦しく染まってギターを弾いていた姿が新鮮だった。
続くメンバーが、エルフリーデのベース星野李奈と爆弾幸気圧ⅢからギターのスーパーさったんとMARINにドラムのViVi。ヴォーカルをエルフリーデのみくるが担当。さらに、爆弾幸気圧ⅢのZakuも煽りVoとして急遽参加。届けたのが、爆弾幸気圧Ⅲの「3.3.7」。Zakuが熱い声で煽り続ける中、みくるはオラオラとした演奏の上でも、愛らしい姿で歌っていた。そこに、自分スタイルを崩さないみくるらしさを感じていた。とはいえ、Zakuが「わっしょい、わっしょい」と熱く煽り続ければ、何時の間にかみくるも感情のボリュームを上げ、一緒にシャウトしていた。フロア中の人たちと三三七拍子のリズムに合わせ騒ぐ、この熱狂した光景がとても心地好い。異色の組み合わせだからこそ、そこで生まれる嬉しい意外性が、より楽しさを増強させていたのは間違いない。途中で、山吹りょうが舞台に忘れたスマホを取りにくるというハプニングも登場。このラフな感じも、この組み合わせだからこそ生まれた空気。最後まで「わっしょい」盛り上がった、あの熱狂がたまらなく気持ちいい!!
この組み合わせ、次は「5ねんめセッション」でという話も出ていたよう、そこは気長に、楽しみにしながら待っていようか。
PHOTO: 大川茉莉 @MariOokawa
TEXT:長澤智典
爆弾幸気圧情報
【タイトル】No!No!クライマー
【発売日】2020年6月21日
【収録曲】1,No!No!クライマー(Miyuki) / 2,Twin frame(Miyuki) / 3,No!No!クライマー(kurizabeth) / 4,Twin frame(kurizabeth)
【価格】1,500円(税込)※物販通販・限定販売
爆弾幸気圧 Web
https://baku-dan.com/
爆弾幸気圧 twitter
https://twitter.com/bakudan_kk
エルフリーデ情報
エルフリーデ Web
https://el-friede.net/
エルフリーデ twitter
https://twitter.com/elfri_official
セットリスト
爆弾幸気圧Ⅲ
「No!No!クライマー」
「DESIRE」
「3.3.7」
「ゼンシンFUTURE」
「GAW」
「No!No!クライマー」
「爆攻ハリケーン」
エルフリーデ
「Break Heart」
「Empty」
「ハルユメ」
「Coffee」
「栄光へのエール」
「MONSTER」
「PASSION」
セッション
「Vibration」(エルフリーデカバー)
「3.3.7」(爆弾幸気圧カバー)